秋のドライフラワー素材集め


秋が日に日に深まり、朝晩は冷え込みを感じるようになりました。
秋の訪れが遅い瀬戸内の香川県でも、山は少しずつ紅葉し始めています。


赤や黄色に染まる葉、
様々な形をした 草や木々の実。


色鮮やかな自然をお部屋でも楽しめる秋は、ドライフラワーが本領発揮する季節でもあります。そしていよいよ、来月からはクリスマスリースやお正月飾りのご予約が始まります。


私の作品はどれも瀬戸内の草花を使って制作しています。
11月になると、広葉樹の葉は散り、木の実は落ち、山は針葉樹に覆われてしまい、作品を制作する為の材料を入手することがとても難しくなります。


秋のドライフラワー素材集めは、
秋の作品を制作するため、年末の作品を制作するため、そして来年の秋まで使用する素材を蓄えるため、一年でも大変重要なのです。


その中でも、形が可愛らしく、特に人気がある「木の実」があります。
それだけで制作したリースも大変人気があり、年末に使用頻度が高まる「白い木の実」をご紹介いたします。


ナンキンハゼ


白い木の実、
その正体は「ナンキンハゼの実」です。


ナンキンハゼは、関東以西の温暖地でよく見かけ、暖地でもカラフルな紅葉を見せてくれる落葉樹の木です。


その実はポップコーンのようで、お砂糖をまぶしたナッツのような姿が可愛らしくて、とても人気のある木の実です。



こちらの写真は、ナンキンハゼの実だけで制作したリースです。


毎年大変人気があるリースで、
イベント時では並べた途端になくなってしまう程です。


非常に脂肪分が多く、
ろうそくを作ることもできるナンキンハゼ。


その脂肪分が鳥たちにはご馳走のようで、いろんな鳥がひっきりなしでやってきます。でも鳥に突かれると、白色が剥げて中の黒い部分が見えるようになってしまいます。


作品に使用する綺麗な実を収穫する為には、ちょっとしたコツが必要です。
それは収穫時期です。


ナンキンハゼの収穫


収穫するのは、
実が十分大きくなった頃、殻がまだ緑色の時なのです。


それを、風通しの良い場所に広げて乾燥させます。
すると、殻の色が変化してきます。



黒くなってきたのがお分かりいただけますでしょうか。



左が収穫直後。
右が収穫してから1週間後です。


乾燥が進むと殻が黒くなってきます。
でも、まだもう少し乾燥が必要です。
すると、さらに殻に変化が生じます。



殻が自然と弾けて、実が見えてきます。


焦る気持ちを抑えて、
全ての殻が弾け終わるまで、しっかりと乾燥させます。


しっかりと乾燥させることで、
全ての殻が弾け、真っ白でキレイな実を取り出すことができるのです。


ナンキンハゼのアクセント

白いナンキンハゼの実。
その実だけで作品を制作するのはもちろんですが、アクセントに使用してもとても素敵です。


お正月飾りには、紅白の「白」で使用しています。


丸くて綺麗な白色の木の実が、
松やナンテンの鮮やかさを引き立ててくれます。




もちろん、木の実をお楽しみ頂ける「木の実のリース」としても使用しています。


秋を満喫できるナチュラルリースにも
白い木の実は絶対に欠かせません。



キレイな素材を集めるには、
ちょっとしたコツがあります。
でも、ほんのちょっとしたコツなのです。


皆さんの周りにも、ドライフラワーで使用している人気の素材があり、ちょっと手間をかけてあげるだけで鮮やかな作品になることを知って頂ければ嬉しいです。



今年は例年よりも粒が大きくて白さが際立っています。
枝や葉を加えて、一層ナチュラルに仕上げました。




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