温暖な瀬戸内の香川県も、最低気温が10℃を下回る日が増えるようになりました。
朝晩は吐く息も白くなり、少しづつ冬が近づいているのを感じています。
先日は強い北風が吹き荒れ、西日本の山々は初冠雪となりました。
11月半ばを過ぎた頃、強い風が吹くと翌日に行かなければならない場所があります。
それは「ヒマラヤスギ」の木の下です。
ヒマラヤスギ
ヒマラヤスギはマツ科ヒマラヤスギ属の常緑針葉樹。
ややこしいのですが、杉という名前の「松」です。
高さ50m、直径3m以上にもなる大木で、遠くから見るとキレイな樹形をしているので大きな公園や公共施設などに植えられています。
下から見上げると、枝や葉が重なり合ってとても神秘的で雄大です。
深い森の中のような木の香りもします。
ヒンズー教では聖なる樹木とされ、アーユルヴェーダでは病気を治す力があるとされているようです。古代エジプトでは、ソロモン神殿の建築にも使用されたとか…。
また、アロマテラピーではシダーウッド精油として使用されています。
ヒマラヤスギの「松ぼっくり」
ヒマラヤスギは、杉という名前を持ちながら松の仲間。
松なので当然「松ぼっくり」ができます。
目を凝らさないと探せないほど頭上の遥か遠い彼方で、とても大きな10cm程の「松ぼっくり」となります。
でもその松ぼっくりは、通常のクロマツやアカマツのように、そのままの形で地上に落ちてくることはありません。1枚1枚バラバラになって剥がれ落ち、そして先端部分だけがカタマリとなって落下します。
これがヒマラヤスギの「松ぼっくり」です。
とても独特な形をしていて、薔薇のような形をしていることから「シダーローズ」と呼ばれています。
これを集めるため「松ぼっくり」が成熟する頃の11月、強風の翌日にヒマラヤスギの木の下に行かないといけないのです。
シダーローズを拾いに
シダーローズは樹齢30年を超す木でないとできません。
大きいな~というサイズのヒマラヤスギにはできません。
ビックリするぐらいの、かなり大きな大きな巨木にしかできないのです。
ヒマラヤスギの木の下です。
このようにシダーローズの破片が落ちている木を見つけます。
そして注意深く観察します。
お分かりいただけますでしょうか。
これです。
これがシダーローズです。
受粉してから2年かかってようやく地上に落ちてくるそうです。
こちらにもありました。
破片と同じ色なので踏みつけてしまいます。
ゆっくり歩いて慎重に探すのがポイントです。
シダーロースはとても繊細です。
少しの衝撃でバラバラになりやすいので、慎重にお持ち帰りください。
作品に使用するためにはひと手間加えるのがオススメです。
バラバラになってしまわないよう、剥離防止の為に裏側の穴にボンドを詰めて根元を固定します。
左側が拾ってきたもの
右側がボンドを詰めたものです。
木工用ボンドで十分ですので、穴の部分とその周りをボンドで埋めて補強します。
リースのアクセントとなるシダーローズ。
「松ぼっくり」だと思えないような素敵な姿をしており思わず見入ってしまう程です。
また、古代から人々に親しまれてきた木の「松ぼっくり」だと思うと感慨深いものがあります。
ヒマラヤスギは公園や公共施設・学校やゴルフ場などに植えられており、きっと一度は見たことがある木だと思います。
皆さんの周りにも、ドライフラワーで使用するような人気の素材があるのです。いつも見かける木や草など、信号待ちの時だけでも眺めてみてください。
ちょっとした発見があるかもしれません。
今年のクリスマスリースにシダーローズを加えました。
強風の翌日に集めたシダーローズです。
自然の造形を感じて頂けると嬉しいです。
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